青の魚/chi-ha
青の魚は夜になると水面に姿をあらわします
それは月の光に照らされてキラキラ光るからでした
海の中ではわからない輝きを月は教えてくれたのです
夜の間だけ会うことのできる月に魚は恋をしました
暗い海の底何の感情もない世界で喜びを教えてくれたのは月でした
月の前で魚は笑うことができたのです
雲が空を覆う夜
魚に悲しみを教えてくれたのは月でした
魚のココロのように空は涙を流しました
だけどどんなに空を仰ごうとも魚の気持ちは月には届きません
海と空の距離はとてもとても離れていました
それでも魚は幸せだったのです
だって変わらず月は夜に姿をあらわすのです
気持ちは届かなくても魚はいつでも月を想っていられました
今日も太陽の下青の魚は海の底で月に会えることを楽しみに待っています
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