決して/憂
酷く気まぐれだけれど 自分をしっかり持っていた
人の波に惑わされずに 生きていた人だと思った
私は貴方の事 何にも知らなかったよね
貴方も私の事 何にも知らなかったと思う
互いに知ることは望まなかったから
互いに明かすこともしなかった
知っているのは 顔と名前と 体だけ
それでもよかった
私は貴方を愛していたのかな
繋ぎとめていたかったのかもしれない
意味深な微笑
長くて冷たい指
整った目鼻立ち
鋭い瞳
謎と秘密が多い人
全てが私を惹き付けた
それももう今日で終わりなんだね
私 幸せになるよ
貴方の幸せも祈ってるから
決して『愛してる』なんて言わなかった貴方のこと
私は嫌いじゃなかったよ
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