マントル/石田 圭太
隔たりを埋めるために
どこまでもどこまでも下ってやるんだと思っている
今数々の生き物たちと別れを告げて
新しい出会いと別れという
いわゆるお涙頂戴を繰り返しながら
たまには一方的に頂戴してやろうかと思っている
俺達の流す涙の間には長い隔たりがあるから
それも含めて全てが長く隔たっているから
どこまでもどこまでも下ってやるんだと思っている
繰り返すうちにやがて建物は少なくなって
一切の乗り物にも乗れなくなるよ
孤独を感じてもやるせなく走るしかなくなる
すべてとお別れしなくてはならない日も来るかも知れない
だけどそれは可能性
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