ある日のこと/RIKU
 
めだったの」

うさぎさんは、ゆっくりゆっくり話します。

「ひとりだけいたの。本当に穴を塞いでくれる人。納得するってこと、教えてくれたの」

リスさんは、真剣に話を聞いています。

「この人じゃなきゃだめだ。って思ったの。だけどね、その人、もう前みたいに言ってくれないかもしれないの」

「どうして?」

リスさんは、やっとそれだけ言いました。

「どこかに行っちゃうの。分からないの。あの人がおいていくの。淋しいんだ。悲しいんだ。とてもとても、悲しいんだ―――」

リスさんは、うさぎさんがどれほどつらいのか分かりません。リスさんは、まだ、そんな気持ち
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