全世界的アンブレラ2/吉岡孝次
 
古い瞳を投げ捨てて、明日を生きようとする者と
古い瞳を投げ捨てて、昨日を辱めようとする者が

等しく今日を仰ぎ見る
過去も未来もない瞬きの直後に


少女が指先で辿る、忘れてしまった綴りにも
少年が爪先で探る、生き残るための銃架にも

等しく歴史は膝を折る
過去も未来もない瞬きの直後に


だが 過去も未来もない瞬きの直後にも

新しい瞳に風は吹くだろう
新しい瞳は それを追うだろう


降る雨を逃れられない、
それが僕らのアンブレラ

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