牛乳瓶/ぽえむ君
牛乳瓶は蓋を開けたまま
空を見つめてる
その丸い口で
空を飲み込もうとでも思ってるのだろうか
白い雲を自分からこぼれた牛乳だと
勘違いをしているのだろうか
狭いガラス瓶の中に閉じ込められた牛乳は
広がる青空に浮かびたいのかもしれない
牛乳瓶は黙ったまま
一人で空を見上げて立っている
倒れて中の牛乳が道にこぼれれば
いつかは風が空へと運んでくれるのだろう
けれどもどっしりとしたその体型では
動きようがなかった
空は大きな雲が流れてる
せめて一歩だけでも歩きたいのだろうが
牛乳を揺らしたところで疲れるだけであろう
小さな世界しか動けないことを
知るだけであろう
牛乳瓶は口を閉じたままだった
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