右手の甲にそら豆/
カンチェルスキス
ただ、だらんと垂れた右手の甲の『そら豆』という文字が
どの午後より死んじゃってる午後の図書館の屋上に
ふさわしくて、心が、ぎゅん、となった
牛乳飲みたくなったけど、おっさんはああだし
何度も新着メール問い合わせするたびに
なんの反応もなくて落ち込んだ。怒らせたかなあ、あのひと言かなあ、
彼女意外とへそまがりだからなあ、やきもきするなあ、この時間帯は、
さっきからおれは彼女からのメールの返信を待っていた
戻る
編
削
Point
(11)