いつでも/信天翁
雑木林は沈黙しているが 唖ではない
いつでも木々が 旧友のように
語りかけてくれる
雲は浮かんでいるが 不動ではない
いつでもミルキーウェイのかぜと
同行している
生は死への旅立ちだが 途中下車は出来ない
いつでもターミナルは祝祭で賑わい
歓迎のアーチを建てている
死は生の変形であるが 実存の消滅ではない
いつでも血の怨念は緩みなく
バトンタッチされてゆく
おらは畜生の転生であるが 阿修羅ではない
いつでも右脳は気の凝結に満たされ
ぴくぴくと震えている
戻る 編 削 Point(5)