白昼夢/仲本いすら
 
流れてしまつた雲を追いかけて
防波堤を越えた、二人だけの流星を掴み
散りばめたあとの笑顔を見ましたら
それはもう、美しいとしかいい様のないほどに
ふたりの時間は流れていつたのでした。

ぎいこぎいこと鳴くペダルを漕いで
悠久の海を渡つてゆきます

アスハルトの熱さに嫌気がさした
ふたり逃げ出したのです
蒼空は笑つているように思えました
ふたりは、笑つています

今までの些細な悪戯を数えながら
ペダルを漕ぐ足は速さを増し

(とまつてしまう事は、優しさの延長であるかのように)

今までの些細な悪戯を数えながら
ペダルを漕ぐ足は速さを増すのです

あなたは、
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