繰り返される/狩心
 
時間を経て                             
壁の隅にある米粒ほどの小さな空気穴を見つけた                  
こんなに小さくては私は通る事は出来ない                     
期待はすぐに崩れ去った                             
私の体から壁に滴る血液を虫が嬉しそうに舐めていた                
いつしか  その虫の成長が唯一の楽しみになっていた               
いつしか  壁の存在を忘れ  虫だけを見つめていた               
              
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