悲しい花/
ぽえむ君
いつも通る道のある家の玄関に置かれた
手入れを忘れられたその花壇は
いつも泥みれだった
白い花が咲いているというのに
綺麗とは思われず
むしろその花の美しさが
汚さを目立たせていた
花の名前を知らなければ
悲しい花と呼ばれそうだった
ある日
花壇は綺麗になっていた
花は抜き取られ
プラスチックの入れ物は
てかてかと光っていた
花のないその花壇は
清潔さで満ち溢れていた
何の花が咲くのかはわからないけれど
やはり悲しい花と呼ばれるのだろう
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