ローバー/黒い鴉
誰にも知られたくなかった
僕の宝物は人の物
本当に欲しいものならば
奪い取っても仕方ないだろ
・
輝きを失った宝石を
見せびらかして
びくびくしながら笑って
誰にも知られないように
一人前の強盗を気取ってた
・
気が付かなかった
思い上がった勘違い
最初から 自分の物なんて
なかったから
奪った気になってた
本当は人があわれんで
あたえてくれていただけの宝物
・
いまさらそれを投げ出して
さまよってみても仕方ないだろ
宝石が輝かないのは
宝石に込められた
人の想いを知らないから
・
人がそれぞれもつ幸福な希望
そんなもの勝手すぎる幻想
でも それが最初から
その手で創り上げた
輝く自分だけの宝物
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