無情/柴田柴助
 
書きなぐった原稿
溢れたごみ箱から漁りだし
 
我が人生を振り返る
 
私は
なんてたくましく
なんて非情なのだろうと
頭をがむしゃらに振り回す
 
語るのは文字
語りかけるのは心
 
ぐしゃぐしゃな原稿が
私の生きていた証
 
気が付けば、
もう何度めかの春が
カーテンから差し込んでいた
レースのカーテンは微々たる光で
それはそれは
美々であった

 

 
また一枚、原稿が生まれ
そして落ちる
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