創書日和。炎 【春の焚火】/佐々宝砂
 
朝まだき春の焚火のやはらかく

四十雀日雀春田の修飾符

曾祖父は清水一家や忘れ汐

春の海見やり枯木に火を点ける

野火猛る猛れども焼き尽くさずに

焚火して未だ青春の語を背負ふ

かたちなき炎にかたちを与ふ我

炎にも名告りはありや春来る

炎よおまへのために木を切らう

珈琲のいつのまに冷め二月尽
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