大花火/はじめ
 
も簡単に消えそうな光だ
 ビル群の無数のテールランプだけがリアルに人工的に点滅している
 優しい夜景
 瞼の裏に残りそうな光
 気のせいか微かに漂ってくる火薬と真夏の幻想の匂い
 生温い体温を発するコンクリート群
 突き抜ける夜空とまばらに散らばる星々
 人々のタバコの煙と自動車がまき散らす排気ガス
 濁る東京と僕の目
 僕は目がゴロゴロし過ぎたせいで涙が出た
 清められていく大都市
 火の玉が何百発も夜空に体当たりしている
 当たって砕ける真夏の風物詩の種
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