crow cry/黒い鴉
 
車にひかれた 仲間のからす
誰か あいつの死を
悲しんでくれないか
ひびのはいった 車のガラス
お前 そっちの
心配しかしないのか
百回 他人が死ぬのを見ても
一回の自分の死が実感できない
知りたくなんてなかったんだ
自分も
こうなるかもしれないことを

きしむような声でなきはじめた
あいつにできる
唯一のことだから
鬱陶しそうな顔で見ないでくれ
なきやむことが
できないじゃないか
百回 助けを求めても
一回も助けてくれなかっただろ
知りたくなんてなかったんだ
自分がもう独りだということを

食べ物も住むトコも
自分で見つけた
本当は欲しかった 誰かの優しさ
百回 悲しいことがあっても
一回の喜びを
感じることができたなら
僕はもうないたりしないから
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