眠れない/水町綜助
 
部屋に集められる
僕は君のからだの傷を舐めるだろう
夜を順番に白く汚しながら



白い煙突から煙がでている
猫が死んでしまってそのせいで老人ホームに空き部屋が出来た




鉄が作られた




天球の町に星が落ち
大きな川が流れた
子供達はその川沿いに町をつくって
老人のふりをしてすごした
精霊流しの時期には
みんなで泳いだ



誰も知らない場所に肉塊が落ちた
それは昨日スーパーマーケットで売れ残ったたった一つの牛肉だった

いっぴきの病気の犬がそれをくわえて走っていった


コンクリートを蹴る爪の音が鈴のようだ


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