春の子/ふもと 鈴
 
吾が宿の梅の花咲き口をつく他より遅きをうらやむかなと

夕されば止める鳴き声闇を忌みふたたび人の中で泣けり

古き良き歌のながれに身をおきて機関銃も久しくおけり

もうやめたもうやめたもうやめたひと旋律に飽きもするかも

春いまだわがみを避けりとこしえの一日もいまだ水に溺るる

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