ぼろぼろのつばさ 2/青色銀河団
 

雨と、ビニール傘と、おまえ。




[さびしさに関する言語学的研究]

水に浮かぶバラの花びら
のように
ぼくらは揺れて
いるのです




[ぼくについて]

花びらの感触
水辺の音
手の匂い
淋しさについて

耳たぶの感触
水面の記号
空気のうすさ
ぼくについて




[きっと]

抱きあい涙ぐみすすり泣くちりちりと舞い上がる冬の水蒸気たがいの顔はこぼれるようにゆがんでは潤みはっきりとみえない曇ったガラスの暖かさ毛糸の手袋に落ちる水晶球一滴一滴に写る逆さの世界その中のくしゃくしゃの顔したあなたのこときっといつまでもいつまでも忘れない






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