ぼろぼろのつばさ 1/青色銀河団
 




[朝]

海が柔らかいよ
白い梅も匂ってるし
空だって柔らかだよ
ほら水蒸気があんなきもちよさそうにながれてる

東京の
やさしくておおきな空だよ

やあ
おはよう




[Tear]

水色のせなかを
ふるわせて
泣いてるきみ

どうしてこんなにも
おれを
無口にしちまうんだ

女の子の
なみだってやつは




[.。o○]

部屋を掃除してたら
ひきだしの奥から
ころんと
転がりおちた
銀色のわっか

まだ
ひとつだけ残ってた
恋の破片




[永遠]

電算機が計算し続けても
永遠に解にいたらぬもの
博物館に陳列された白い羽根の硬度や
菫色の傘をもつ母の肩越しの虹曲線
月光につめたく濡れる貝殻のひびき
いつかそれら古いことばがたち現れ
にじんだ誰かの手紙となり
ようやく配達されるまでの
永遠の時間のなかで
おまえたちは眠りつづけるだろう





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