黄色い星/フユキヱリカ
 
ぞきこむ


四つちょうだい
春に、おねえちゃんになるの
しいちゃん一つね
赤ちゃんにあげるの


良い先生らしからぬ
わたしは
手品師になったかのように
ほらしいちゃん
てのなかをみてごらん
一つ、二つ、
三つ、四つ
四つあるよとひろげる

そして
わたしの手から一つ
上手につまんで
ちいろい、
きいろい星だ

含んで笑うのである


カリ、コリと
しいちゃんの口の中で
見えなくなった星は
真昼の月のように
空へと溶けた

かわいい妹がいいな

願いをのせて

タンポポみたいな
ちいろい、
きいろい星だ


ささやかな
しあわせ
含んで笑う
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