黄色い星/フユキヱリカ
誰が教えたわけでもなく
指で三つ、をつくる
しいちゃんは
たくさんを
それはささやかなたくさんを
欲しがろうとする
絵本読んで、と
わたしの膝上に乗っかって
ほお擦りするように
高い体温を
抱きしめると
揃ったえりあしから
シャンプーと
ほのかに甘いにおいがする
角の公園で
たくさん遊んだ日は
耳のうしろから
おひさまのにおい
せんせ
四つちょうだい
ピン、と高く突き出した
主張する手は大人びて
一つだけよ
と母がなだめ
ちっちゃい紅葉の
てのひらに
こんぺいとうを握らせると
舌足らずに なんで、と
わたしの目をのぞき
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