依存性/憂
ていた
部屋に鍵はかかっていなくて 部屋には彼女がいた
久しぶり、としか彼女は言わずに虚ろな瞳で微笑んだ
首筋の赤色を見た瞬間 言葉より先に手が出てしまった
パチン
全部 悪いのは僕なのに それでも彼女は笑っていて
「痛かった?」
と 僕に聞く。
中途半端で ひどく残酷なことをした と 気付くと
僕は彼女を抱きしめていた
「どこか遠くに行こう 二人で」
彼女は泣いていた
僕の目からも涙が流れた
僕も抱えていく 彼女の辛さを
もう絶対に中途半端なことはしないから
愛してる
誰よりも
だからいいよ。僕に依存して
ずっと、君と一緒にいるから
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