歌/はらだまさる
 



羽根のはえた指で
不透明のやわらかい
やわらかい虚無を撫でながら
ゴウゴウと吹きあげる
おおきな風を
待ってる


やあ、とか
ほう、とかって
羽根のはえた指で
お前をすべりおりて
おどけてみせるとき


お前は
両膝のうえに
手の甲をおいて
チン・ムドラ結んで
瞑想しながら
オーム シャンティ、
シャンティ、
シャンティ、
と三唱する


羽根のはえた指で
小3のころから
大事にしてる
ポルシェ956の
チョロQを
俺は、ブン
と走らせたあと
真っ白を
つまみにして
里の曙を
呑む


お前は
それでもま
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