詩にはしない〜市村マサミに捧ぐ/山内緋呂子
った。
何も言葉が出なくて、マサミには、「この気持ちを後で詩にするわ」と言ったが、それは無理だと気づいた。
・同じ時代に生まれていてよかった
・アーティストだと思う
・小さいゴミ屑の中の天才だと思う
とか、簡単に素直に、褒めるしかできなかった。
マサミの歌を聴いて、詩にするなんてできない。
詩に、できる人もいるだろう。
でもあたしは、詩にできなくていい。詩人と呼ばれなくてもいい。今日、マサミの歌が聴けたから。
マサミの歌を、聴いた。
確かに聴いてしまった。確かに、眠れなくなってしまった。
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