完璧な一つの吐息/カンチェルスキス
 
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 そばにいなくても
 どこかにいるわけでもない
 閉じたノートを見つめる
 わたしの中にあなたがいるのだとしたら
 何度でも返事をしてください
 わたしはまた自分の身体を連れ出して
 あのときの完璧な一つの吐息を
 あなたと完成させるでしょう





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 ノート以外のものすべてを黒く塗りつぶしても
 ひとつの顔だけが浮かんできます
 こころが身体を置き去りにしていきます
 自分が身体とともにある人間であることに
 わたしは激しい憎しみを感じるのです





 
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