桜/テルテル坊主
 
春の代名詞

長い長い冬の寒さに耐え抜いて

温かい春を待ち望み
綺麗な花を咲かす

まるで

寒さに耐え抜いたすべての生物を
祝っているかの様に

しかし
その花も長くは続かない


卒業生と新入生を歓送迎して
彼らも旅立たなければならない

春独特の強い風に吹かれて

綺麗な花びらのカーテンを
広げたように

1センチにも満たないわずかな花びらたちが
秒速何メートルで舞っていく

その数十秒の美しさを残して
花びらは地上と言う終着点に消えていく

そうして、一年の命の循環が始まる


今年もそんな季節がやってきた

早起きな一枚が舞ってる


そいつは僕の手のひらをするりとすり抜けた
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