ダブル・タップ/キセル
蘭の香りを信じるところでは
煙の臭いが心を支配している
それは以前からそうなのだけれど
日出国に使いがきたのは去年だったか一万年前だったか
こんなことはあってはならない
この状況を解脱しなければ
そう思っていたことは
日記を見ないと思い出せない
今、臭いと共に
いつも頭にあるのは
いいか
必ず二回引くんだぞ
という自分の教えと
先生、米が
明日の正午にここを通るそうです
という十五歳の少年の教え
明日は何を教え
何を教わるのだろう
アッラーのみぞ知る
宇宙の理を知ってしまった私
一切衆生悉有仏性を知らず
今日もシナイ山に登る
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