/plus/静山和生
 

            逸れて
 
            墨糸が口付ける
            臨界

            場を
            逸れて

            引き絞る弓が
            湾曲する雨の香りに
            近づいて

            のように
            折れて
            膝から弓なりに

            絞り弾く
            胸元の水煙を
            丹念になぞらえる
            濡れた眼から逸れて


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