生きている/はじめ
 
てイマジネーションを膨らませ続けるだろう
 そして誰に語らせることもなく詩を詠み始めるだろう
 ひょんなことでまた次の時代がやって来て
 その詩は神話となり僕の元へとやって来るだろう
 絶対に壊れない箱の中に詩を入れて果てしない向こうへ飛んでいく
 その詩には神話になり得るような力がないかもしれないが
 輪廻を流れ続ける時の詩になって欲しいと願う
 肉を削ぎ落とした僕は太陽を見つめている
 森の中で過ごしてノートの切れ端にシャープペンシルで一遍の詩を書く
 それが僕の仕事だ
 一日の大半は眠って夢を見て過ごす 起きて夢を書き記してそれを夢を見ることができない人達に見せるのももう一つの仕事だ
 起きている間は常に既視感に包まれている
 仕事は金にはならないがそれでもなんとか生きている
 森の物を採って食べて生きている
 寿命はあと百七年
 この世界の生き物達は自分の好きなことをして生きている
 僕には好きなことをして生きること以外不可能だ
 どんなに苦しい毎日でも僕は楽しく生きている
 何も不満があることはない
 充実した毎日
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