いち/
THANDER BIRD
叫びとは
少女のためにあり
それを聞くのは
いつもきまって鳥だった
少年は歩いている、夕暮れの帰り道
見慣れた町並みにサヨナラをして
彼は彼だけの家に帰っていくのだ
机に一枚の爪をのこして
鳥が空を飛ぶのは
それは見たことのないあの子を探すためだ
夜の闇に目をつぶると
柔らかな羽毛だけが空にたゆたんでいる
一枚の紙の上の線を地平線とするならば
その先に異国の瞳があることを
詩は知っているから
やさしい目で 見つめ続けている
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