ゆうがたの魚/
yo-yo
ゆうがた
ひとびとの背がかなしい
ひとびとの背を超えてゆく
魚がかなしい
水が均衡する
まずめどき
幻想の水をしなやかに
幻想の魚がおよぐ
しのびよる色が
どくどくと熱いときもある
ひやひやと冷たいときもある
ひろがってゆく波紋
水と空を分けて
とつじょ失踪する魚の群れ
そのとき
満ちてくるものの
魚が超えるかなしみの深さへ
手が届かないひとの
ひとびとの背がかなしい
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