貪欲の窓 〜Come to GINGIN〜/人間
 
ト加工 人の私欲を見せまいと遮光
 山茶花の花弁は百科事典で饒舌 勝手の歯が浮くような繚乱

ストレスを乗せた乳母車がレースする
波打つ横隔膜のコースがうるさい
コップ一杯分の水でも飲んで落ち着こうとする黒紙折子
すると
胃酸過多の山茶花が咲いた
「インテル入ってる陰険でインドアーなインテリのインポはすっこんどけボッケ
 アンパン食ってアンポンタンなアンダー15のアイドルでも拝んどけ阿呆んダラア」
肝硬変のカタツムリが泣いた
「獰猛なドーモ君のような 丁重なデンコちゃんのような
 常識と良心のアイノコのような 慇懃なギンギンの奴だけ来い」

アルマイトの殻に山茶花をハンダ付けすればカタツムリは膨らみ
気よりも重くなった百科事典は一枚ずつ落ちる散る満ちる雨音の小便が後ろの正面で朽ちる
横隔膜節のツービートで欲望をドリルンする黒紙折子は口の中で下弦月を咲かせ
絶望を運んで注文を繰り返す
「インテリンポすっこんどけボッケ!ギンギンだけ来い!」

窓は貪欲になって光り 空っぽの乳母車が朝焼けを滑って消えた
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