それから次は/ねなぎ
 
に出られれば
はしゃいで

小屋から
僕の姿を見ると
前足をかいて
僕を呼んだ

友人から実家に戻った
との電話があったらしく
一頻り
怒った後に思い出したように
言われた
地元で再就職を
したらしい

友人の母親が
喜ぶ姿が思い浮かんだが
言ったものかと
解らず
やっぱり頷いた

帰省の予定を聞かれて
答えられなかった
予定は未定のままだった

いつから戻って
無いのだろうか
覚えていないのは
何故だろうか
思うのは
断片で
呼ぶ声に
応えられずに
どこにも行けない気がして

気持ちが落ち着くと
母は泣いていた

明日には
火葬にしなければ
ならないらしい

川に落ちていたとの事だったが
不思議と寝ているのと
変わらないらしい

どうせ
お前は忘れちゃうから
時々
私が思い出すよ


電話越しに言われ
泣ける立場でも無く
何も言えず
結局
頷いただけだった
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