わだかまれ/しめじ
カナディアンクラブを飲みすぎた
ねじ切れた朝に嘔吐
スーベニアの花が咲いて
遠い記憶のため池は緑
悲しいだけ
そう悲しいだけ
欣求浄土の音を立てて風鈴がちりん
冬の風に梅の香り
子供の叫びが聞こえるアスファルトの上
置き忘れていった赤い靴に舌先を這わせる
田園風景
楽隊のラッパの音が聞こえる
リンゴの樹の下で倒れている不具者
鉄の扉に滴る溶けた砂時計
フィルムは燃え尽きて空の雨がしとしとと降っている
悲しいだけ
そう悲しいだけ
バスドラムを踏み抜いて
見上げた空は暗い
サボテンを抱いたまま心中未遂
ストリキニーネの不足
墜落する月をサカナに泳ぎだす冬の夜
警鐘
転落する中央線
強かに咲いているツユクサに口付けを
歩いているのだ 俺は
振り返った先に牛、ホルスタイン
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