晩景/
朱雀
七つ下がりの風通り
透かし模様の薄絹に
囁(つつめ)く日射が
なだらかに滑り・・・・
疾(と)うの昔に置いてきぼりの
ブリキの箱で ひしめく玉が
熱の籠った鋪道を走り
鳴く蝋石の跡を追う
虹色の影を惜しむ間に
桑楡(そうゆ)日暮れて帳(とばり)を下ろし
爛柯(らんか)の名残も掻き消えて
斜陽が煽る草いきれ
彼方の路傍に残された
見過ごす程の足跡に
切ない笑いが くつつと ひとつ
道行き摺りに また ひとつ
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