ごめん なさい/朽木 裕
どうして綺麗なんて云うんだろう、と半泣きで思いを巡らす事はよくある。
君の愛は大きくて大きすぎて私は小さすぎてちっぽけで。
どうしたらいいか分からなくなることは本当。
何年もの間、自分はずっと雑巾とイコールだと思っていた。
それも真っ白なものではなくて余すところなく汚れで埋め尽くされた雑巾。
汚いそれを指の先でつまむイメージ。
それが自分のなかの自分。
でもそんな自分でもだんだん好きになってきた。
雑巾を胸の前でぎゅっと抱き締められるくらいには。
捻くれていて本当に申し訳なく思う。
素直になれるのは貴方に対しての好きな気持ちだけ。
そんなあたたかな気持ちが自分に向くことはない。
どうしてだろうね
自分のなかの自分が雑巾から人間になるまでは
とんでもなく果てしない夢のようだけれど
付き合ってください
迷惑はなるべく少なめに、と努力するから。
素直な自分で貴方に好きと云える日まで
何年かかるか分からないけれど
確かに確かにその日はくるから
待っていてね
それまで残していかないでね
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