SATP.Vol.9,「 簡単に、おやすみなさい。 」/PULL.
簡単に。
作品がそれを欲するのなら、
それが作者にとって、
どんなに嫌なことでも辛いことでも、
なんでも書く、
書いてしまう。
それで消耗して苦悩して、
耐えきれなくて、
書きたく書けなくなったなら、
それはおれが、
その程度ものだということ。
ほんとうに耐えきれなくなったら、
逃げればいいし休めばいい。
文藝や音楽、
げいじゅつなんて、
恋人や家族友人知人に比べたら、
全く価値のないもの。
だから、
しんどいときは、
しんどい季節。
休めばいい。
いつか次の季節が来る。
書きたいものたちを
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