「カーテンコール」/和 路流(Nago Mitill)
 
『過去があるから、未来があり、今があるのだ。
 今があるから、過去があり、未来があるのだ。
 未来があるから、今があり、過去があるのだ。
 今は未来であり、かつ、今は過去であるのだ。』
『ああ…私は時という舞台の上。
 その時を 私は歌い、声を上げ、踊り続ける。
 その瞬間を、踊り続ける。』


すべてを捨てて ここから逃げ出したら、
楽になれるだろうか?
今まで築き上げてきた自分を捨てれば、
生きるための幾つもの苦痛は消えるか?

でも、籠から逃げ出した鳥は
屋上から空へと 飛び立てたのか?
地に叩きつけられる無残な体とは逆に、
心は
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