東京放浪/うめバア
 
いるのは
複雑な心境を抱えたまんまの
単純労働

会ったことのない派遣会社の営業の人の
声が遠くて、優しいから

いつだって即日勤務可
ことわったことはない

真面目に、地道に、東京放浪
目の前を行くのは白いブーツのまぶしい女

それが手の届かない存在なのか
すぐ隣のお姉さんなのか
いまだもって、わからないまま

今年の冬は、いくぶん過ごしやすかった

二人が口を聞くことは
これからも、この先も

明日のことは誰も

愛しているよ
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