「現実の世界」と「物語の世界」/相良ゆう
 
られた、自と他の区別から話を続けたいと思います。
「現実の世界」でわたしたちは自と他の区別を知りました。
そして自分と違うものが他にもたくさんあることを学んでいきます。
そのうちに、自と他の区別だけではなく、他と他の区別をも学んでいきます。
それと同時にわたしたちはあることを教わります。
それは自分を含めて、「現実の世界」のものには「名前」があるということです。


こうしてわたしたちは、ものの「名前」を覚え、「名前」を使うようになります。
ひとつ「名前」を覚えるたびに、「物語の世界」はどんどん広がってゆきます。
物には「本」とか「くるま」という「名前」があり、
運動には「読
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