Allergie/はらだまさる
土の匂いは美しさだけで生きてゆける、
ありとあらゆるものに相似しており、
意識していないとすぐに違うものに結合してしまうから、
取り扱いには注意しなければならないらしいからね。
向かいの席に座っているどこか古臭い、
しかし齢にして僅か五歳にも満たないであろう若者の
イヤホンから漏れる音質の悪いCジャムブルースのことは、
どうやら忘れることが出来ずに、俺は孤独に厭きた、
孤独に厭きたとぶつぶつ呟きながら
ハンドクラップでスウィングを楽しんでしまう始末の悪さ。
おいおい、しかし勘違いしないでおくれよベイビー。
俺はただのパラノイアじゃないぜ。
先月の朝一
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