モアレ/ねなぎ
ジッタを起こしているので
それぞれのベクトルが揺れている
空一面を対象として考えるなら
水晶体の焦点距離も図れず
寒さに途方に暮れていた
補正をかける事を辞めれば
笑うべき事も解らず
斜めだと気がつく
水平同期が掛からなくなって
パルス幅がバラバラだった
枯れた匂いのグランドには
言葉だけが吹き飛ばされて
バーストが乱れていた
フィルター無しの発振は
色を着ける事を
頑なに拒んでいた
増幅無しの薄い風に
掻き乱されて
笑えないリンギングに
溜息の白さが静かに漂った
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