行方不明の感情/和泉蘆花
 
自分の感情がわからない

わたしの存在は 何処へゆくの

世界は色を薄めてゆき

不安なこころが世界を覆う

あなたは何処にもいないから

消えてもいいんだよ と。

まるで わたしは 影を盗まれたようで

独りぼっち 一人の国で

恋人は何時も わたしに優しく

わたしは僅かな安らぎも与えることがない

遠回りして 道に迷って

あなたは わたしを 探してばかり

どうすれば わたしは

迷惑を掛けずに生きられるのだろう

生まれて死ぬまでの間

出逢ったひとに

出逢えたひとに

こころ 渡していたいのに

世界が角度を変
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