風輪際/朱雀
 
畦(あぜ)に腰掛け見和(みな)ぎし先の

揺振(ゆたぶ)る木立は

神のやすんば 


紅い雀が舞風(まいかぜ)の中

命の際まで飛び翔ける


漏れる光を光焔(こうえん)に

いつの間にやら

見まく欲し


唯 在ることに心苛(こころいられ)て

爪形(つまがた)残る掌中(たなうら)を

慈忍を装い

やあわり ひと撫ぜ


眺めの空に浮生(ふせい)を被せ

泣きたいほどの夕附日(ゆふづくひ)



※風輪際=この世界を支えるという三輪
又は 四輪(しりん) の一つ風輪のきわで
この世界の最下底の処。

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