呼吸/1486 106
-永遠-
大地も
地球も
太陽も
宇宙も
その輪郭にすら触れられないもの
-人間-
刹那の命と
僅かな知識で
神の掟に逆らおうとしている
…そして力尽きて皆土へ還る
-時間-
瞬きの間にも確実に進んでいる
変わらない愛を誓っても
肉体は少しずつ死に近付いている
自然を前に人はあまりにも無力だ
-存在-
いつか押し寄せる時代の波の中で
足跡をかき消されてしまうとしても
僕も 貴方も
限りある時を惜しむかのように
今力強く呼吸をしている
それは些細な抵抗にも似た
小さな生命の存在証明
心臓が止まるその瞬間まで
生きるという事を諦めはしない
-永遠-
輪廻の幻の中で見た
脆弱な魂の微かな願い
それでも長い旅路の果てに
人は僅かな望みを託す
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