「僕」という種をまいた/ベンジャミン
「僕」という種をまいた
「僕」が芽を出して
高く広く枝をのばし
深く遠く根をはって
空からも大地からも
みんなを見守れるように願った
「僕」という種をまいた
「僕」は約束した
辛いことも乗り越え
力強く生きてゆこうと
けれど
「僕」はいつか枯れてしまう
だから
「僕」が残す
「僕」の種を
何処かで見つけたら
「僕」に名前はいらないけれど
「僕」は種のままでは意味を持たないから
何処か土の香りがする場所に
何処か海が聞こえる場所に
何処か空が近い場所に
こっそりまいて呟いてほしい
「あなたに会えて良かった」と
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