くう/Asako.H
 

充血した太陽が
嘲いながら昇り来る
私はカーテンのない窓に身を潜め
涙を流しながら鶴を織る

畳からぢわりと火が漏れる
天井からぼとりと火が垂れる
侵食は涙をも喰らい去り
鶴は鮮やかなインキが剥げ落ちる

だが
私はゆっくり沈んでいく
太陽はもう追いつかない

立ち上がり
あたしの紅い鳥居に
空っぽの賽銭箱。
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