光がもどってこない/みい
 
「いいの、わたし、ここで暮らすの。」

おんなのこの言い分って、すごくわからない。
こんな真っ暗でなんにもないせかいで
放っておいて、と言うように。

ぼくは、
耐えきれずきみの
葉脈を食べた。

はらり、
かじられたせかいで
きみの生活のしてる音だけが聞こえる。

ぼく、
安定しないんだ。
きみの鼓動がないと調子があわなくて。


どれも正解じゃなかった。
ぼくはあわてて何かに目をむけた。
きみの喉を潰そうとした。
きみは、
ぼくの目を潰した。

どれも正解じゃなかった。
これが正解じゃなくても、
どれでもいいやと思うぼくがいて、

だた、ざりざりの舌で
ころがすこのせかいは、
目はなくても、甘いとだけ感じる。


 

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