ラブレター/和泉蘆花
 
僕を見てくれるのであれば手段は選ばない



たとえ あなたが 重い皮膚病を患っても

僕は あなたを 都会のど真ん中へ連れ出します

あなたは 僕にとって 自慢の人なのだから



たとえ あなたが 言葉を話すことができなくなっても

僕は あなたの声を 聴くことができる

温度を 失っても 可能です



あなたが目を失い 僕の詩を見ることができないなら

僕は唄いましょう

あなたが耳を失い 聴くことができないなら

封筒の中に アロマオイルを いれましょう

あなたが鼻を失い 臭覚さえもないというなら

どんな状況でも キスをしに
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